薪ストーブの似合う「雑木林の庭」。
別荘の静寂を日常に、共創の記録
閑静な自然に溶け込む、究極の「引き算」。
栃木県藤岡町T様邸。住宅展示場数軒分はあろうかという広大な敷地、そして背後に控える美しい自然。今回のミッションは、薪ストーブの火を眺めながら過ごす時間に、完璧な「背景」を添えることでした。派手な装飾を捨て、周囲の環境と呼応する雑木林風の庭づくり。庭師の感性と施主様の情熱がぶつかり合った、長編ドキュメントです。
ライフラインなしの真っ白なキャンバス。幸せな現場です。
この圧倒的な広さ……羨ましい限り。
薪ストーブへの愛が伝わる、ご夫婦の薪。1. 土台:残土ゼロを目指す循環型造成
掘れば掘るほど出てくる良質の赤土。今回の目標は「残土ゼロ」。砕石を有効利用し、使えない土を下に埋め、良い土を上に出す。敷地のポテンシャルを最大限に活かし、庭の起伏を造形していきます。
お客様の協力により、最高のスタート。
土は無駄にしません。
駐車場と庭の「循環」で、残土を出さない。
お客様も驚くほどの土量。起伏が生まれます。
庭づくりの前の重要工程。
大まかな形を彫刻するように。
生活の基盤となる部分を先に固める。
大型生コン車で一気に打設!
さぁ、ここからが「石」と「木」の出番です。2. 石工事:夜に舞い降りた「隕石」の衝撃
搬入を積み込み過ぎ、夕闇の中での「サプライズ搬入」。奥様が「隕石かと思った」と驚かれた巨大な鳥海石。クレーンを駆使し、サツキを絡ませながら「そこに古くからあった」かのような石組みを組んでいきます。
人気の鳥海石。200本のサツキと共演。
全部使います(笑)。
積み過ぎたため、安全を考え夜間に。
奥様も驚愕!隕石級のサプライズ。
サツキを絡ませ、魂を込めて組む。
秋の短日。照明があれば無敵。
まだ5時過ぎ。夜間工事で精度を高める。3. 植栽:6m超えのカツラと雑木の重なり
市場直送の新鮮素材。赤い実のソヨゴ、美しい幹肌のヒメシャラ。そして本日の大トリ、6m超えの「カツラ」。トラックのクレーンでもギリギリの重量、電線のないT様邸だからこそ実現した、圧倒的なスケール感です。
雌木を選び、一年中緑と赤い実を楽しむ。
実の付き方が見事な株。
幹の美しさが雑木林の品位を決める。
緑が入った瞬間、別荘の風が吹く。
6m超の巨人。運び込むために枝を折らずに「縛る」。
これだけスリムに。麻縄の魔法。
重量は限界。気合の植え込み。
「倍になっても良い」旦那様もご満悦。
紅葉の終わり際、最後の輝き。
一気に雑木林の密度を上げる。
アオハダ、モミジ。冬の造形美を楽しむ準備。4. 細部:薪割り場とお客様の仕上げ
薪ストーブユーザーの必需品「薪割り場」を枕木で制作。石の島々をサツキと下草で繋ぎ、砂利を敷いた瞬間、庭が「浮き出て」きました。最後はご主人の手による1240ポットのタマリュウ。プロ顔負けの几帳面な仕事に脱帽です。
記念すべき最後の一手。
館林のN様も来訪。火の粉が美しい。
雨の日曜日。この質感がタマリマセン。
中低木と下草を馴染ませる。
「いかにも生えた」感を演出。
実用性と無骨なデザインの融合。
生活に寄り添う機能美。
薪割り場とリンクしたデザイン。
サツキ200本、完売!
これが後に鮮やかな波になる。
砂利を入れると、すべてが締まる。
フラットに仕上げ、憩いの場へ。
雑木林の骨格が完成。
冬の静寂が似合う庭。
借景の山と一体化。
別荘のような、深い静けさ。
ここからが「本当の完成」へのリレー。
プロ級の几帳面さ。頑張ってください!完 成:巡る季節と、別荘の時間
雪化粧の厳かな朝、新緑が眩しい初夏。 タマリュウが綺麗に生え揃い、T様邸の庭は18年経った今も、深みを増し続けています。
Snowy White - 雪の化粧 -
雪の花が咲いたよう。
冬の静寂もまた、庭の喜び。
光と雪の幻想的な共演。
本物のペンションに来たような錯覚。
寒くても外に居たい……そう思える景色。
Spring has come - 芽吹きの春 -
赤ちゃんの葉っぱたちが伸び伸びと。
あちらこちらで春の報せ。
清々しい白が映えます。
可愛らしいハートの形、見つけた!
T様、この度は本当に楽しい庭造りをありがとうございました。
一緒に汗を流し、タマリュウを植え、火を囲んだあの日。私たちの宝物です。
これからも、この庭がご家族の「別荘」であり続けることを願っております。
四季のある国に生まれて、本当に良かった!
