有限会社田熊造園土木 群馬県千代田町

古い記憶に敬意を払い、新しい息吹を吹き込む。

羽生市A様邸。着工前、そこには明治時代から家を見守ってきた大きなキンモクセイがありました。
当初は残す計画もありましたが、新しい暮らしと未来を考え、今回更新する決断に至りました。

テーマは「木々が迎える庭」。
古い樹木への感謝と敬意を込めた伐採・伐根から始まり、真夏の猛暑の中、職人の知恵と技術で新たな緑を植え付けました。石と緑が織りなす、優しくも力強いアプローチの完成です。

着工前の庭 歴史を感じさせる、鬱蒼とした木々。
明治時代からのキンモクセイ 長い間、この地を見守ってきた古木。

1. 魂の継承:お清めと伐採

ただ切るだけではありません。長年この地にあった命に対し、お酒と塩でお清めをし、今までの労をねぎらってから鋏を入れます。
大きな根は重機で慎重に掘り起こし、空間を一新。約3トンの根が出てきた時、その歴史の重みを感じました。

お清めの儀式 感謝を込めて。職人としてのけじめ。
伐採枝の搬出 リサイクル業者へ運び、資源として循環させる。
伐採後の空間 光が入り、開放的な空間が出現。
抜根作業 大地に強く張った根。抜くのも一苦労。
巨大な根 スタッフと比べてもこの大きさ!
3トンの根の搬出 歴史の重み、約3トン。

2. 土台づくり:赤土の造成と石の搬入

伐根で下がった地盤に良質な赤土を搬入し、しっかりと転圧。ここが新たな庭のキャンバスとなります。
そこへ石組用の景石を搬入。クレーンのトラブルもありましたが、臨機応変に対応し無事に鎮座。真夏の石組、気合が入ります。

赤土の搬入 新しい庭の命となる土を入れる。
転圧作業 後で沈まないよう、徹底的に締め固める。
造成完了 下ごしらえ完了。準備万端。
石の搬入作業 トラブルも現場の華。冷静に対処。
到着した石材 これから庭の骨格となる石たち。
石の仮置き 初日はここまで。明日からが本番。
石組開始 真夏の石組。汗が止まらない。
アウトラインの完成 夕方には大枠が見えてきた。

3. 真夏の挑戦:熱風から守る「養生」の技術

真夏の植栽で最も恐ろしいのは、走行中の「熱風」です。葉が傷まないよう、トラックの荷台に寒冷紗(ネット)を掛け、直射日光と風から厳重にガード。
到着したら休む間もなく植え込み、すぐに水を回す。このスピードと気遣いが、植物の命を繋ぎます。

養生された植木 真夏でも移植可能な状態に仕上げてある。
細かい根 この白根が命。いつでも植えられる証拠。
春から準備した植木 良い時期に掘り上げ、準備しておいたもの。
寒冷紗での運搬 これがプロの知恵。熱風を遮断して運ぶ。
迅速な植え込み 到着したら即、土へ。時間との勝負。
たっぷりの水やり 水は命。たっぷりと吸わせる。
奥行きのある配置 「包まれている感」を意識して配置。
下草と石の調和 固い石を、緑が優しく包み込む。
奥手の植栽 奥へと視線が抜けるように。
植栽の進捗 庭に命が吹き込まれていく。
夕方の水やり 一日の終わり。木々へのご褒美。

4. 彩りと柔らかさ:300本のサツキとタマリュウ

石組の硬さを和らげるため、鹿沼産の良質なサツキを300本植栽。職人が一本一本、アール(曲線)を描くように丁寧に植え込みます。
仕上げは根締めのタマリュウ。地味な作業ですが、これが乾燥を防ぎ、庭の品格をグッと引き上げます。

300本のサツキ 鹿沼から取り寄せた一級品。
サツキの植え込み 手慣れた手つきで、曲線を描く。
石と緑の対比 緑が入ると、石の表情が変わる。
バランス調整 全体の調和を見ながら。
デッキ前アプローチ 自然な風合いのアプローチ作り。
沓脱ぎ石 庭と家を繋ぐ大切な場所。
サツキの刈り込み ビシッと整える。
花木の植栽 部屋からも楽しめる彩りを。
夕方の散水 水を得て、植物が息を吹き返す。
元気な下草 上を向く葉。生命力を感じる瞬間。
タマリュウ植栽 根を守り、景色を締める名脇役。
足元の完成 サツキ、石、タマリュウの完璧な三重奏。

5. 仕上げの美学:砂利と恵みの雨

仕上げは防草シートを敷き込み、その上に砂利を敷きます。不陸(凹凸)を整え、雑草対策も万全に。
作業中に降った夕立は、乾燥した庭にとって最高の「恵みの雨」となりました。濡れた石と緑が、本来の美しさを放ち始めます。

整地作業 平らに、美しく。
防草シート施工 見えない不安を解消する。
突然の夕立 普段は嫌な雨も、今日は大歓迎!
雨中の作業 涼しいだけでも儲けもの。

完 成:木々が迎える、安らぎの聖域

諏訪鉄平石の園路を歩けば、涼やかな水鉢が出迎える。
室内から眺めれば、美しい幹肌のヒメシャラが揺れる。
「田熊造園さんと出会って良かった」。その一言が、私たちの最大の勲章です。

完成したアプローチ 訪れる人を優しく誘う、緑のトンネル。
フッキソウの群生 冬でも寂しくないよう、常緑の下草を配置。
「庭は何処から見ても正面。」
自然な崩れ石組 石と草が馴染み、時を経たような風情。
ヤブランと鳴子ユリ 足元の彩りにも手を抜かない。
優しいアール 曲線が庭に柔らかさを与える。
庭の源流 作り込みすぎない、自然な景色。
玄関脇の島 部屋からの見え方も計算済み。
島のバランス 高さ、石、サツキ。全てに拘りを。
デッキ側アプローチ 諏訪鉄平石の踏み心地を楽しむ。
デッキからの眺め 庭と一体になれる特等席。
鉄平石の園路 歩みを進めると、景色が変わる。
水鉢の風景 味のある水鉢がお出迎え。
水鉢の水鏡 季節の花やモミジを浮かべて楽しむ。

~ View from Inside ~

「今まではカーテンを閉めていたけど、これからは開けられる」。お客様のその言葉通り、室内からの景色も格別です。

涼やかな室内からの眺め 真夏を感じさせない清涼感。
開放された窓 風や雨、季節を感じる暮らしへ。
ヒメシャラの幹 冬には美しい幹肌が目を楽しませる。

A様、作業中の数々のお心遣い、本当にありがとうございました。
「出会えてよかった」というお言葉に、疲れも吹き飛びました。
これからもこの庭を通じて、末永いお付き合いをよろしくお願いいたします!

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