白御影石が描く「美と彩り」の庭。
広大な敷地が生む、静寂と重厚のコントラスト
広い敷地こそ、「余白」の美学を問われる。
板倉町H様邸。通常の区画の2倍、二区画分という贅沢な敷地。
まだ建築途中の段階でしたが、和モダンの建物の佇まいに「良い庭になる」という確信を持ちました。
テーマは「美と彩りの庭」。
広さを埋めるのではなく、白御影石を主役に据え、計算された「余白」と「緑」で彩る。あっさりとしていながらも、近づけば本物の石材だけが持つズシリとした重厚感を感じる、大人の庭づくりに挑みました。
着工前から漂う、建物の品格。
圧倒的な広さ。ここをどう彩るか、腕が鳴る。
1. 門柱の品格:130kgの白御影石を操る
境界のブロック工事と並行して、庭の顔となる門柱に取り掛かります。使用するのは純白の御影石柱。1本あたりの重量は約130kg。
この巨石を、ブロックとブロックのわずかな隙間にミリ単位で滑り込ませる。パワーだけでなく、繊細な技術が要求される「至難の業」です。
クレーンと人力、そして経験で据え付ける。
石が立った瞬間、空気が変わる。
2. 白の追求:ラジャストーンで締める
ブロックを真っ白に塗装し、清潔感を強調。しかし、白だけでは輪郭がぼやけてしまいます。
そこでアクセントに「ラジャストーン」を投入。濃い色味の天然石が、白さをより際立たせ、全体をグッと引き締めます。「あっさり」と「重厚」の両立は、この素材選びにかかっています。
キャンバスは白く、美しく。
このワンポイントが、全体の格を上げる。
主庭にもリズムを作る石柱を配置。
3. 機能美の構築:電動ゲートと土間コンクリート
日々の生活を支えるアプローチ部分。カーポートと電動ゲートを設置し、土間を仕上げます。
無機質になりがちなコンクリートの海にも、植栽スペースを一つ設けるだけで、景色は劇的に変わります。便利さと美しさ、どちらも妥協しません。
広い間口もビシッと仕上げる。
コンクリートの中の一輪の緑。これが効く。
毎日の出入りだからこそ、電動の快適さを。
4. 主庭の彩り:白いキャンバスに緑を描く
いよいよメインガーデンへ。外回りが終わった段階ではまだ「白いキャンバス」。ここに色を入れていきます。
アクセントとなるのは「御影石の水鉢」。白御影の柱を背景に、緑が入り始めると、庭が一気に呼吸を始めます。
ここから色づけが始まる。
庭の中心点、水鉢をセット。
緑が入ると、庭が締まる。
5. 職人の汗:数千本のタマリュウ植栽
仕上げはタマリュウの植え付け。この広大な面積に対し、数千本単位のタマリュウを一本一本、手作業で植えていきます。
真夏の炎天下、指先が悲鳴を上げる過酷な作業。しかし、ただの土で終わらせるのと、緑の「面」を作るのとでは、仕上がりの格が違います。妥協なき反復作業が、最高の景色を作ります。
果てしない作業。でも手は止めない。
この密度、この美しさ。苦労が報われる瞬間。
完 成:美と彩りが響き合う庭
あっさりとしているのに、軽いわけではない。
白御影石の重厚感と、芝生の開放感が同居する空間。
お子様が走り回れる広さと、大人が癒やされる静けさを兼ね備えた庭が完成しました。
和モダンの邸宅を引き立てる、品格ある外構。
優しく、かつ力強い。狙い通りの雰囲気。
二区画分の贅沢。のびのびと育つ場所。
本物の石材だけが持つ、圧倒的な存在感。
内側から見ると、優しさが際立つ。
淡い白壁に緑が映える。最高の配色。
雨の日には、那智黒石の黒が白御影を浮き立たせる。
一本一本のタマリュウが、名脇役として支えている。
~ View from Inside ~
庭は、家の中から見た時こそ真価を発揮します。窓からの景色、デッキからの眺め。すべて計算通りです。
日常のふとした瞬間に、癒やしを。
シンプルだからこそ、飽きが来ない。
ここで過ごす夕涼みは格別でしょう。
真夏の工事でしたが、涼風を感じる仕上がりに。
H様、この度は広大な敷地のプロデュースをお任せいただき光栄でした。
「あっさり重厚」なこの庭が、ご家族の歴史と共に味わいを増していくことを楽しみにしております。
本当にありがとうございました!
