有限会社田熊造園土木

朽ちたデッキを、一生モノの「要塞」へ。

群馬県赤城山中腹。湿気、凍結、寒暖差。木材にとって過酷なこの環境では、普通のデッキ材では太刀打ちできません。
今回は、世界最強と称されるハードウッド「イペ(キング・オブ・イペ)」を採用。さらに、基礎の数を倍以上に増やし、地盤から作り直す徹底的な改修を行いました。
見た目だけでなく、構造から生まれ変わった再生の記録です。

赤城山K様邸 完成全景(イペ材ウッドデッキ)

1. 現状と課題:1800ピッチの脆弱性

着工前のデッキは見事に朽ち果てていました。踏み抜きの危険があるため、上を歩くのも躊躇われる状態です。

着工前の腐朽したウッドデッキ 危険な状態の床板
「問題は、板じゃない。基礎の間隔だ。」
既存の基礎間隔(ピッチ)は約1800mm。湿気の多い山間部でこの広さは致命的です。たわみや腐食の原因となるため、今回はこれを900mm以下まで狭め、基礎の数を倍以上に増やす計画を立てました。
広すぎる既存の基礎ピッチ(1800mm)

2. 素材選定:水に沈む木「イペ」

採用したのは「キング・オブ・イペ」。水に沈むほど密度が高く、薬剤処理なしで数十年の耐久性を誇ります。無塗装でも腐らず、経年で美しいシルバーグレーへと変化します。

重量のあるイペ材の搬入 イペ材の美しい木目(無節)

3. 解体・基礎補強:足元からの再構築

既存デッキを解体し、使える基礎は再利用しつつ、位置や高さをミリ単位で調整します。

解体後の既存基礎 レベル調整と墨出し
「基礎が乗る“地面”から作り直す。」
ただ基礎石を置くだけではありません。地盤が軟弱だったため、固い層が出るまで掘削し、砕石を大量に投入して転圧。沈下しない強固な土台を作り上げました。
前面への基礎追加(ピッチ短縮) 掘削と砕石転圧による地盤補強
基礎完成と湿気対策の砕石 倍増した基礎群(900ピッチ以下)

4. 構造・床張り:硬質木材との格闘

基礎が完成したら、大引きを流し、いよいよ床張りです。山の天気は変わりやすく、雨と寒さとの戦いでもあります。

大引きの設置 ステップデッキ部分の張り出し
現場での切断加工 投光器をつけての作業

イペ材は鉄のように硬いため、一本一本下穴を開けないとビスが入りません。ステンレスビスを使用し、折れないよう慎重に打ち込んでいきます。

床板張り開始 下穴処理とビス打ち
晴れ間の作業風景 床張り完了直前

完 成:山荘を彩る「最強のデッキ」

グラつきゼロ。腐食の心配ゼロ。
ステップデッキがベンチ代わりにもなる、
機能と美しさを兼ね備えた空間が誕生しました。
完成したイペ材ウッドデッキ 無節の美しい木肌
新設した階段と補強された柱 ベンチとして使えるステップデッキ
デッキからの眺望 経年変化を楽しめるデッキ

K様、この度は工事のご依頼誠にありがとうございました。
赤城山の自然と共に、このデッキの色が変わっていく様子を末永くお楽しみください。

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